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北朝鮮経済制裁-日本だけでもやれ。

アメリカが北朝鮮の経済制裁を解除するという発表があった。
アメリカの最重要関心事は「核とミサイル」であったため、これが解決のメドでもつけば、そうなることは想像に難くないので、私は特に驚きでも何でもなかった。

日本の拉致問題解決まで、アメリカの経済制裁解除を延期して欲しいという拉致被害者家族等の願いは、私は感情的には理解できるところではあるが、残念ながら、アメリカのみならず、韓国にしても、そして日本にしても、本来の最重要事項は「核とミサイル」だったのであって、拉致は、被害者とそのご家族には大変申し訳ないが、その次の事項とならざるを得ない。これは、「数十人の拉致被害者のために、1億2000万人の生命と財産を危機に陥れるわけにはいかない」がゆえのことであって、私自身、痛恨の極みではあるが、涙を呑んでそう言わざるを得ないのである。

アメリカがテロ国家指定を解除したとき、北朝鮮にどんなメリットが生じるのか。

世界銀行からの融資を受けやすくなることは、先にあげられる。しかし、世界銀行の大株主は日本であるだけでなく、融資を実行するには、返済の見通しを立てなければならないのだが、北朝鮮は肝心の情報まで秘匿している。また、債務保証の問題も発生するが、日本はこれを受け付けることはないため、実際に融資が行われる可能性は極めて低い。韓国と中国については、中国は消極的であろうし、韓国も大統領が変わったことで受けないであろう。このため、現実的には、経済制裁を受ける前後でほとんど変化はないと思われる。

輸出入の制限解除も考えられる。国連決議による制裁については、中国が裏ルートで交易をしており、ほとんど効果がなかったといわれている。また、核開発に関する約束など北朝鮮はしていないため、実際には核問題は解決していない。NPTから脱退している北朝鮮がIAEAの核査察を受ける気配がないのは当然であるが、何らかの形での調査を行うまでは、アメリカは自由貿易を北朝鮮には認めることはないと思われる。

米朝国交正常化については、今現在の段階では考えられない。アメリカは北朝鮮だけでなく、イランの核問題にも関心を払っており、そのイランが核実験を強行した以上、北朝鮮が本格的に核開発を中止し、調査による証明ができない状態では、国交正常化の「交渉」はしても、実際に国交が成立されることは考えにくい。

以上のことから、アメリカの北朝鮮に対するテロ国家指定解除は、「手綱を緩めた」というアナウンス以上の効果は、私には考えにくい。

拉致問題について言えば、日本政府内の「声」が小さいことが、世界が動かない最大の原因であることを、われわれはもっと知らなければならないであろう。テロを容認するわけではないが、『加藤紘一氏のような発言をした人は命が危ない』というところまでのナーバスな問題にならなければ、世界に与えるインパクトは弱いと思う。(だからといって、加藤氏を暗殺して良い、ということではない。あくまでも、「それだけ思考自体が許されない」という社会状況になることが必要、という話である。)

これを述べれば、北朝鮮との国交正常化により、自由往来ができる状態にすればよい、北朝鮮当局と連携できる状態にして解決すればよい、という妄言が出てくる。
これがなぜ「妄言」と断言するのかといえば、「妄言」以外に適切な日本語がないからである。
北朝鮮と国交を結んでいる国は150ほどあるが、国交を締結していたビルマのラングーンで爆破事件を起こしたことがあり、北朝鮮との国交正常化が日朝間の問題解決に前進すると思考するのは早計に過ぎる。
また、在ピョンヤン外国大使館の外交官は、北朝鮮国内の旅行が、北朝鮮当局の許可制であって、自由旅行を認められていないのである。場合によっては北朝鮮の役人が同伴する。こんな状態での「自由往来」などありえず、従って、捜索も不可能なのである。

そもそも経済制裁自体は、前述の事情により、日本が独自で行っても効果そのものは期待できない。現に中国ルートで日本製品が北朝鮮に流れており、事実上制裁していないのと同じである。しかし、これを緩めることは、「メッセージ」としてマイナスである。あくまでも直接取引を一切しない、というスタンスをとり続けなければ、それこそ拉致問題はウヤムヤのうちに終わってしまうであろう。

これを言い出せば、人道上の理由で経済制裁に反対するバカが出てくる。現在、取引額が高いために、日本はミャンマーの軍事政権に対して何ら措置を講じていないと誤解している人がいるが、日本はミャンマーについては経済制裁を継続中である。取引額は、ほとんどが人道上の援助の金額であって、それ以外の流れはない。ただ、中国以外は、日本ぐらいしかミャンマーにカネを流していないために、ミャンマーを起点としたカネの流れで日本が上位になっているに過ぎないのである。つまり、北朝鮮への経済制裁は、人道支援まで停止することを意味するものではない。

また、「経済制裁の次は戦争である。現に、北朝鮮は宣戦布告とみなすと言明している。」として反対するバカもいる。経済制裁といえども段階はある。日本が現在行っている制裁は、軍艦を派遣して船舶の往来を公海上で阻止するような、キューバ危機のようなものではない。あくまでも北朝鮮籍の船舶入港禁止・北朝鮮国籍の上陸禁止、指定品目の直接輸出の禁止等だけであって、ABCD包囲網のようなものでもなければ、中国韓国への働きかけすらしていないわけで、戦争につながる経済制裁はしていない。
第一、北朝鮮が一方的に宣戦布告とみなすと宣言しようが、日本が軍事力による威嚇をしない限りは、自衛権発動の正当な根拠となりえず、そんな状態での北朝鮮側の武力攻撃は明らかに「北朝鮮側の侵略行為」として国際法では処理されるであろうし、それこそ安保理において「第7章に基づくあらゆる行為」の決議がなされ、多国籍軍を編成されてアメリカ等の全面攻撃を受けることになると思われる。

アメリカが北朝鮮の日本侵攻による本格的軍事介入はありうるか?
「確実にある」ということがいえると考える。単純に日米安保があるからではない。アメリカの対中外交において、「嫌なら、北朝鮮の武力攻撃を中止させ、日本へ謝罪と補償をせよ」と、水面下で中国に要求することができるのである。中国は、飲まなければ、中国への国際的非難の「口実」となる。飲んでも北朝鮮が中国の要求を受け入れなければ、中国のアジアにおける影響力のなさを国際的に示すことになり、相対的に中国の地位が低下する。仮に中国が飲んで北朝鮮が中国の圧力に屈しても、「北朝鮮は日本を不法に武力攻撃を行った」という『事実』は、有力な外交カードとなってしまう。

また、アメリカが怖れるのは「核ドミノ」である。日本はNPT加盟の非核保有国の中で、唯一、国内でプルトニウム再処理技術を有しており、宇宙ロケットも巡航ミサイルも独自開発をした国である。米軍の軍事技術自身、日本の技術がないと成立しないという高度な技術国家である。もし、日米安保を発動しないとなれば、「アメリカの傘の下」が機能しないということで、日本に核武装の口実を与える。仮に日本が核武装をしないにしても、国際社会に対して「アメリカは、必ずしも軍事同盟を守るわけではない」というメッセージそのものが、核ドミノを誘発する原因となる。このため、アメリカは日本を守らなければならないのである。

そもそも、北朝鮮は日本との戦争を望まない。北朝鮮の経済は極度に逼迫しており、日本と直接取引を行うことをエサにして、日本からの経済援助を引き出したいのは本音である。
このような状態で、日本が北朝鮮へ経済制裁を継続したとしても、北朝鮮が何を言おうが武力攻撃は「ない」。前述したが、日本単独での経済制裁は、北朝鮮にはあまり影響はない。しかし、アメリカが経済制裁を解除しようが、日本は日本人に対する拉致問題での「怒り」を表明しなければ、今度は日本自身が、日本国民を保護しない国として、国民にも国際社会にもみなされることなるわけで、経済制裁は今後も継続すべきだと私は思考する。

ただし、日米が共同して「鞭」ばかりでも話は進展しないのもまた事実である。核とミサイルの問題は日本人1億2000万人の生命財産に関わる話である。これはこれで処理しなければならず、日本が拉致問題で経済制裁解除という「アメ」を与えることができないというのであれば、アメリカが「アメ」を与える役目になる。その上で、日本は「あくまでも日本は、拉致も重要な問題である」というスタンスで強硬姿勢で臨み、日米共同で「アメとムチ」を北朝鮮に与えるのがベターなんだろうと、私は思考している。
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この拉致問題、わくわくさんの考えも理解できるのですが、終着点を全く規定できていない状況では、やっても無駄や、やらない方がマシと言う問題放置の考えも理解できてしまいます。
私個人としては、拉致被害者全員奪還などと言う(無茶な)目的を達したいならば、自衛権発動及びその為の部隊展開or準備を宣言する方が、効果的だと思っています。(これで国連及び周辺諸国が動かなければ、本当に戦争するしか手は無い事が、明白になってしまうでしょうけど)
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