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偽装だらけのこの世の中

食品関連の表示偽装事件が大流行しているこのごろだが、「偽装」といえば、やはり耐震偽装事件を語らずにはいられない。姉歯被告が2審でも懲役5年の判決を受けたわけだが、今回はこれについて語ろうと思う。

設計というのは「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の3つに分かれる。

「意匠」は、その名の通り、建物のデザインや部屋の間取りという、デザインの部分である。
「設備」とは、電気や給排水、それらの配管を担当する部分である。
「構造」とは、これらの意匠や設備が建物の強度上で問題ないかどうかをチェックするものである。
この3つのバランスが整って、初めて「建設スタート」となる。

この中で最も厄介なのが、今回事件となった「構造」である。
この「構造」がどれだけ根深くて厄介なものなのか、ということを触れていこう。

イーホームズで話題となった『大臣認定プログラム』だが、これは実に106種類あり、市販されているものは56種類にものぼる。
そして、同じ建物であっても、ソフトが異なれば異なる結果が出ることが多々ある。つまり、Aソフトで合格であってもBソフトで不合格となることは珍しくない、という怖ろしいことが起こっているのである。
また、入力の際には、「モデル化」という作業が行われるが、この「モデル化」は、設計士によって異なるため、同じソフトを使っていても、計算結果が異なるということもよくある。

構造計算書は、大臣認定プログラムを使えば、確認申請のときに計算過程部分の提出を省略することができる。確かに安全性をより担保しようとすれば、この提出も義務付けるべきであるが、中核病院やデパート、高層マンションのような巨大な物件となると、A4用紙で数百ページにものぼるわけであり、チェックするのに時間があまりにもかかるという致命的な欠点も控えている。
実際、確認申請は提出から21日以内でというのが一応のガイドラインとしてあったわけだが、度重なる偽装問題でチェックを厳格化したところ、その3~4倍以上も時間がかかっているというのが現状である。公共企業債や融資による建築を行うとき、その期間内は、施工主が金利負担等を強いられることになるわけで、時期をできるだけ早めることも求められる。

さらに深刻な問題として、民間の検査機関はおろか、各自治体の確認審査部門ですら、大臣認定プログラムを持っていなかったことが判明した。ところが、これを改善しようにも、前述のように大臣認定プログラムソフトは100種類以上もあり、しかも異なるソフトを使えば、同じ人が入力しても結果が異なるという致命的な欠陥がある以上、公正な計算をするならば、それを全部揃える必要があるわけだが、ソフトの価格(1つあたり、約100万円)もさることながら、100以上の種類を使いこなせるだけの人の数も必要と、極めて困難な状態である。特に「人」の問題は、予算措置で克服などできない。「使える人がいるかどうか」「使えないなら訓練する」という『カネでは解決できない問題』が控えているのである。

日本は震源地とならない場所がないほどの地震大国である。
それだけに地震対策は世界で模範ともなるべき措置を講じてきたし、今現在でも地震への対策もさることながら、構造物について、強度や高さ等、諸外国では想像もつかないほどの規制がかかっている。
ちなみに、阪神淡路大震災は「ゼネコンがピンハネしたために強度が弱まった」とあるが、それが仮に事実だとしても、それでも『世界的には格段に強度や高さ等の規制が厳しく、不正が難しい』のである。
信じられない人もいるだろうが、朝鮮戦争のときにアメリカ空軍が日本が植民地時代に建設した橋を爆撃しても、なかなか崩壊せず、設計図を取り寄せてピンポイント攻撃をしなければならなかったほどであり、パナマでも韓国企業が受注した橋はすぐに崩壊したが日本の橋はいまだ健在である。新潟中越大地震では、震度6の上を走っていた上越新幹線が「脱線で済んだ」という被害の小ささを見れば、いかに地震対策がすごいのかがわかるであろう。

それでも阪神淡路大震災ではあれだけの大被害をもたらした。今回は偽装である。
私は、「プロとして、自分の作品にプライドがないのか。」と問いかけたい。「あんたは信用できない。あんたに頼まない。」といわれるほど、プライドが傷つくことはないのではなかろうか。
「国民市民の安心安全のために。社会貢献と思いやりの気持ちで。」とは言わないが、せめて自分自身のプライドのためにこそ、こうしたことは肝に銘じてもらいたいと願う。
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湾岸戦争で爆撃を受けながらも日本企業が建設した病院や道路・施設が強固だったと知りました
記事を知り日本建設企業への誇りを感じたものでした。
それが「偽装事件」で人の命を預かるという本業から遠ざかった無責任さに震え上がりホテル関係者として他人事ではなく重い気持ちでいた矢先の、先の能登震災。
無事耐え抜いた建物を見「人様の命をも預かっているのだ」という実感。


あ・・明日から16日まで留守にするので準備をしていたらこんな時間。

寝ナイトいけないヽ(`Д´)ノ あうあう

う・・うない!


何事も無理をしすぎちゃ、ダメ

wakuwakuさん、こんばんは('-^*)/。
T.B.ありがとうございます。

建築現場のことは分りませんが、この問題は意匠と低コストを優先させ、耐震強度のグレゾーンのところでギリギリを狙って、強度を落とすからこんなことになるのだと思います。
無理をしすぎちゃ、あかんぜよ・・・ということです。意匠・低コストと耐震強度は比例ではなく、反比例にも似た関係です。
別な例え(服飾)で考えると、安い値段でオートクチュールの洋服を提供しようとすること自体、土台無理な面があるのではないでしょうか?

せめて、構造計算書をもう少し規格化するか認定ソフトや市販のソフトの数を絞り込むとかして、プレタポルテぐらいを目指せば、確認申請書のチェックの仕事率が上がると思います。
具体的に言うと、『大臣認定プログラム』を106種類も用意するのであれば、マンション資金に余裕のないお客には予め認定された106種類の企画提案型の低コストモデルマンションを用意し、資金に余裕のあるお客向けには、審査に時間のかかるオートクチュールのマンションを建てるといったような按配です。

そして、どうせ規制を緩和するのであれば、土地を取得する以前に「土地取得見込み」で確認申請書の提出受付を可能にするなど、申請手続きの規制緩和をしてはどうだろうかと・・・・・ちょっと発想が自由過ぎるでしょうか(*^▽^*)
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わくわく44

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地球温暖化の流れに逆行して、財布の中身は常に氷河期到来している、「生活は庶民以下でも、志は貴族」(←鈴木邦男氏・談)と、言える日は来ないだろうなぁ・・・。

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