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沖縄の米兵事件で安保破棄を迫る人たち・2

このテーマについて2回目を書こうと思う。
というのは、沖縄の米兵事件で「安保破棄だ!」「日米地位協定があるから問題なのだ!」と騒ぐ人たちの魂のステージの高さを語るに、前回だけでは言い切れない部分があるからである。

魂のステージの高い方々は、とんでもない矛盾をしていることにお気づきだろうか?

日米地位協定が問題なのは、在日米軍の兵士についての身柄引き渡しが「起訴後」であること、そして、公務である場合は一次裁判権がアメリカにあることであって、犯罪の惹起そのものではない。これに注意しないで、あたかも日米地位協定が犯罪を引き起こすような言動をしている魂のステージが高いお方がいることに、私は極めて疑問を感じる。


刑法や刑事訴訟法が犯罪を抑止するのか?


話が逸れるが、しばしば死刑廃止論において、「死刑は犯罪の抑止力となっていない」という言動がある。これは間違いである。正しくは、『死刑が犯罪の抑止力となっていると証明できない』のである。
これは死刑に限った話ではなく、刑罰の存在が犯罪の抑止となっているかどうかは、人の心の話であって、第三者が感情を正確に証明する方法がない以上、死刑を含めた刑罰のすべてが、犯罪の抑止力となっているかどうかは、「わからない」のである。

ところで、日米地位協定の話に戻そう。
日米地位協定において定められているのは「犯罪者の措置」であって、「犯罪の抑止」ではない。刑法も、「犯罪者の措置」を定めているに過ぎず、刑事訴訟法は、刑法を適用するための行政と司法の手続きを定めているに過ぎない。ともに、直接的には、犯罪を抑止することについて何ら定めているわけではないのである。





ただし、刑法の規定は、司法関係者に対しては「この犯罪を犯した者を、この規定の範囲内で処罰する法律行為を行政に要求するように」と要求し、行政関係者に対しては、「この犯罪を犯した者を、司法関係者がこの規定の範囲内で処罰するために必要な措置を講じるように」と要求し、そして、国民には「この犯罪を犯した場合、この規定の範囲内での処罰を行うので、この犯罪をしないように」と要求しているのである。





沖縄の米兵の事件で「在日米軍の存在そのもの」に怒りを感じている人たちは、一体、何に対して怒りを感じているのだろうか?


米兵がいたいけな少女を暴行したことについて怒りを感じているのだろうか?

それについては、残念ながら、暴行犯は、そもそも「法律に従う意思がない」のだから、日米地位協定がどうであろうと、はっきり言って関係ない。在日米軍が消滅するか、あるいは米兵が犯罪を犯さないように教育、または、監視する以外に予防する方法はない。
しかし、在日米軍基地は、何も米兵が犯罪を犯すためにあるわけではない。在日米軍基地は、あくまでも日本や東アジアの安全保障を構築する意義を持っている存在であって、存在意義の消滅、あるいは、存在のデメリットがメリットを超えたときに「必要ない」ということない限りは、消滅させるのは『得策ではない』ということになる。

米兵が犯罪を犯しても、日米地位協定によって「起訴後でないと身柄引き渡しがない」ことへ怒りを感じているのだろうか?

これについては、協定そのものの改定ではないが、日米合同委員会において、起訴前身柄引き渡しについて合意がなされている。
外交文書には「交換公文」というのがある。条約の解釈や留保について伝えるときにも「交換公文」は使われるが、双方が合意すれば、条約や協定の本文が改定されなくても、「交換公文で宣言した解釈」が条文の解釈となり、法的拘束力を生じる。
交換公文とは異なるが、考え方の方向性としては、これと同じである。すなわち、日米地位協定そのものの改定はなされずとも、日米合同委員会での「合意」が、日米地位協定の「運用」としての「法的拘束力のあるもの」である。

一部に、「うるさいから、今は『好意的考慮』を払うだけで、静まれば、協定そのものは改定されてないのだから、『好意的考慮』などはしない」という、すごく魂のステージが高いお方がいるが、「外交文書」として成立しているものをカンタンに、しかも一方的に破棄できるほど甘いものではない。日本クラスの同盟国に対して、こんなことをやらかそうものなら、責任問題が避けられない失態となる。国務長官や国防長官が謝罪または発言撤回を迫られることは確実であるし、実行者が国務次官補等であれば、更迭されても不思議ではないほどの失態なのである。





これも余談だが、アメリカにおける日本の立場は、日本国民が考えているほど低いものではない。在日米国大使の地位は、アメリカ国内においても極めて高い。若手の外交官出身ならば、(必ずそうだ、というわけではないが)「次は国務次官」になってもおかしくはないほどのエリートコースであり、年寄りで在日米国大使となるのは、「議長経験者」という『米国の超大物』なのである。
これだけの国との外交文書を一方的に破棄するときは、EU諸国からの信頼も失う覚悟を決めたときぐらいである。






「在日米軍があるから、米兵の犯罪があるのだ!」と言っている人については、もはや『論外』である。これを言ってしまっては、「在日コリアンがいるから、在日コリアンの犯罪があるのだ!」と言うのと同じである。
「日米地位協定があるから問題になるのだ!」に至っては、論外どころか「小学校からやり直せ」という言葉が適切なほど愚かな思想であり、言動である。前述したように、『刑法や刑事訴訟法があっても犯罪が起こる』ことを知っていれば、「法律を守る気がない」のであれば、日米地位協定があろうがなかろうが、犯罪そのものは「起こる」のである。

「軍隊がない国を攻撃すれば、国際法違反だから、制裁を受けるはずだ」というのもいるが、国際法を遵守する気がないから、攻撃をしてくるのであって、軍隊の有無など関係ない。国連による制裁を受けるかどうかに至っては、「誰も強制することなどできない」し、「見返りを求めるのは非人間的だ」といくら言ったところで、そんなもん、聞くという保証はどこにもない。

という上記の発言は、魂のステージが低い、イラク戦争を国際法違反だと断定しない悪質な人間だから行うらしい。
どうやら、私は永遠に魂のステージが高くなることはなさそうだ。
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地球温暖化の流れに逆行して、財布の中身は常に氷河期到来している、「生活は庶民以下でも、志は貴族」(←鈴木邦男氏・談)と、言える日は来ないだろうなぁ・・・。

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